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今週は、入社シーズンということもあり、新入社員の定着についてのテーマでお話ししたいと思います。
中小企業や小規模企業の社長、役員の皆様にぜひお伝えしたいのは、新入社員の定着は「育成の工夫」以前に、
「迎え入れる姿勢と初期の情報共有」によって大きく左右されるということです。会社の規模が小さいということは
決して弱みではなく、そこに働く社員が会社のことを「我が事」として認識できるという強みになります。
この強みを活かさない手はありません。
「まだ早い」は間違い。入社初日から“経営の話”を!
「新人にはまだ早いだろう」とか「そのうち教えればいい」――これは、多くの会社の経営層や管理職社員が無意識に
抱きがちな思い込みです。しかし、“共に働く仲間”として迎えるなら、初日から“経営の核心”を語る必要があります。
具体的には、次のような内容を丁寧に、熱を込めて伝える時間を設けましょう。
自社の扱う商品やサービスの説明をするのは、もっと後からです。
・会社の存在意義、目的、経営方針
・人事方針(どんな社員像を求めているか)
・営業戦略、業界内での自社の位置づけ
・自社の強みと弱み、現在抱えている経営課題
・競合他社の動向、事業のプラス・マイナス要因
・会社の将来像と、実現するため現在取り組んでいること
ここまで話すのは、一般的には中堅社員や幹部社員向けだと思われるかもしれません。
しかし、新入社員こそ、こうした「全体像」を理解し納得しているかどうかで、その後の仕事に対する姿勢や
定着率が大きく変わります。
情報共有は「歓迎のメッセージ」であり「信頼の証」
特に、数字の話(売上高・利益・重要指標など)を包み隠さず共有することは、会社から新入社員への
「あなたを信頼し、仲間として迎えている」という明確なメッセージになります。
そして、なぜあなたに入社してもらったのか。どんな期待があるのか。どのような力を発揮してほしいのか――
こうした想いを、ぜひ経営者自身の言葉で伝えてください。
入社3日間は「共に働く同士」を育てる黄金期間
入社後の3日間は、単なる研修期間ではなく「この会社で働く意味」と「一緒に目指す未来」を共有する、かけがえのない時間です。
・一日でも早く戦力になってほしいなら、既存社員以上に情報開示と連携を!
・「まだ新人だから」ではなく「新人だからこそ、全部伝える」
・「会社の一員」から、「同じ目的を持つ仲間」への意識転換を促す
この3日間にどれだけ丁寧に向き合えるかで、新入社員のモチベーションも、会社への信頼も、
そして何より“定着するかどうか”が大きく変わります。
まとめ
これらの説明は、できれば社長ご自身が直接語ってください。どれほど整った研修資料よりも、社長の本気の想いこそが、
社員の心を動かします。
新入社員は、まだ何も知りません。だからこそ、会社の価値観を真っ白な状態で吸収してくれる、絶好のタイミングです。
「定着する社員」を育てるのではなく、「ここで頑張りたいと思える社員」を迎え入れるために――。
入社3日間の過ごし方こそが、会社と新入社員の未来を左右します!