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会社が成長し、持続的に発展していくためには、生産性の向上が欠かせません。そして、その鍵を握るのは管理職の力量です。
管理職が正しい方向へ部門を導くことで、組織全体の生産性が大きく向上します。今回は、特に「自部門のお客様は誰なのか」
という視点から、生産性向上のポイントを考えていきます。
まず、会社経営の根幹を成すのは「お客様」の存在です。会社は、誰に対してどんな価値を提供し、
どのように収益を上げるのかを明確にしなければなりません。
つまり、会社全体としての「真のお客様」が誰であるかを正しく定義し、それに基づいた経営戦略を構築することが不可欠です。
例えば、自社の商品やサービスを購入してくれるであろう顧客は、どの業界に属しているのか?どの規模の企業なのか?
個人顧客であれば、その属性は?どのようなニーズを持っている人なのか?を仮説を立て、自社の顧客像を決めることが、
経営判断の基礎となります。経営戦略を考えるうえで、この「真のお客様」を正しく捉えられなければ、的外れな施策を
打ち出すことになりかねません。
部門ごとに異なる「お客様」の定義
社内で部門別にお客様を考える際、営業部門の場合は比較的明確です。法人営業であれば、自社の商品やサービスを購入してくれる
企業が直接的なお客様となります。そのため、「お客様が喜ぶことをしよう」という意識が自然に生まれ、営業活動の方向性も明確になります。
一方で、スタッフ部門(管理部門やバックオフィス)はどうでしょうか。営業部門と異なり、直接的な「お客様」が存在しないため、
誰のために仕事をしているのかが曖昧になりがちです。
その結果、日々の業務を単なるルーチンワークとしてこなしてしまい、本来発揮できるはずのパフォーマンスを最大限に活かせない
状況が生じることがあります。また、「何のためにこの業務を行うのか」が不明確な状態では、仕事のやりがいを見出しにくくなり、
モチベーションの低下にもつながります。
スタッフ部門における「お客様」の再定義
では、スタッフ部門にとっての「お客様」とは誰なのでしょうか?それは、会社の他の部門、特に営業部門や製造部門など、
直接的に価値を生み出す部門およびそのメンバーであると言えます。
例えば、経理部門であれば、営業部門や経営層が適切な意思決定を行うために、正確な財務情報を提供することが役割です。
また、人事部門であれば、従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、環境整備や教育支援を行うことが求められます。
このように、スタッフ部門の管理職は「自部門のお客様は誰なのか」を明確に定義し、自部門の役割を再認識させることが重要です。
それにより、スタッフ部門のメンバーも「誰のために働いているのか」、「この仕事がどこにつながっているのか」、
「このレベルで充分なのか」という意識を持つことで自発的に業務を遂行できるようになります。
管理職の役割と責任
会社全体の「お客様」を定義し、戦略を決定するのは経営者の役割です。しかし、自部門のお客様を定義し、そのお客様に
どのような価値を提供するかを定義付けるのは、各部門の管理職の役割です。管理職がこの役割を果たさなければ、
組織の生産性は低下し、最悪の場合、部門そのものが会社にとっての「お荷物」になってしまいます。
逆に、管理職が適切に自部門の目的と使命を定め、それをメンバーに浸透させることで、組織は自律的に動き、最大限の
パフォーマンスを発揮することができます。管理職は、そのような組織にすることへの責任があります。
管理職に求められるのは、部門の目的を常に問い直し、「何のために、誰のために働いているのか」を常に意識することです。
そして、その意識を部門全体に根付かせ、メンバーが自発的に考え、行動できる組織に成長させていくことが、
管理職の真の役割と言えるでしょう。
まとめ
日本の省庁は縦割り組織であるといわれていますが、民間の会社組織がそれでは、組織の活力は著しく低下します。
会社内で「経理部門は融通が利かない」とか、「営業はコスト削減に協力せずムダな経費ばかり使っている」など
他部門の悪口ばかりいっている事例を見聞きします。
そんな会社は、「お客様意識」が欠如しており、殺伐とした雰囲気になっているのではないでしょうか。
社内の人がお互いにお客様と思えば、自然と「ありがとう」、「お陰様で」と思えるはずです。
お客様の悪口を言って、伸びている会社はありませんから。