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新入社員が長く会社に定着するためには、採用時に提示した労働条件を厳守することが不可欠です。
労働条件通知書に記載された内容と実際の待遇が異なる場合、新入社員は会社に対する信頼を失い、
「この会社は長くいるところではない」と考えるようになってしまいます。
労働条件の不一致がもたらす影響
採用時の労働条件通知書には、契約期間、就業の場所、従事すべき業務の内容、賃金、勤務時間、休日、
福利厚生などの重要な待遇が記載されています。これらの条件が実際と異なる場合、新入社員は「話が違う」と感じ、
入社早々に不信感を抱きます。
例えば、
◆「月給25万円」と記載されていたにもかかわらず、実際の給与が24万円だった
◆「年間休日120日」と説明されたのに、実際には110日しかなかった
◆「残業はほとんどない」と聞いていたのに、毎日2時間以上の残業が発生している
こうした労働条件の不一致は、新入社員にとって大きなストレスとなり、最悪の場合、早期退職の引き金になりかねません。
信頼関係の構築が定着率を高める
新入社員は、入社後しばらくの間、会社や上司、同僚との関係を慎重に観察し「会社の本当の姿」を探っています。
提示した労働条件の遵守は、会社に対する信頼の第一歩です。会社が最初の約束を守らなければ、新入社員は
「この会社は信用できない」と感じ、少しの不満や困難があっただけで「辞めよう」という選択肢を考えやすくなります。
反対に、
◆約束通りの給与が支給される
◆休日日数や勤務時間が契約通りである
◆入社前に説明された福利厚生がきちんと利用できる
といった状況であれば、新入社員は安心して働くことができ、会社に対する信頼が生まれます。残念なことですが、
提示した労働条件が守られていない会社がまだまだ多く存在し、新入社員は潜在的な不安を抱えています。
当たり前のことですが、案外この信頼が定着率の向上につながります。
労働条件を遵守するためのポイント
では、企業として採用時の労働条件を守るために、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
①労働条件通知書の正確な作成
曖昧な表現を避け、明確で正確な内容を記載することが重要です。「大体このくらい」ではなく、
具体的な数値や条件を明記しましょう。
②採用時の説明の徹底
面接時や内定通知の際に、労働条件を正しく説明し、認識のズレを防ぎます。
特に、変則的な勤務形態や繁忙期の残業については、具体的に伝えることが大切です。
③変更がある場合の事前通知
やむを得ず労働条件に変更が生じる場合は、事前にしっかり説明し、新入社員の理解を得る努力をしましょう。
一方的な変更は信頼を損なう要因となるため、避けるべきです。求人広告に記載された内容が実際の労働条件と
異なる場合は、職業安定法違反となる場合がありますので、特に注意が必要です。
まとめ
労働条件は新入社員と会社が初めて取り交わす大事な約束です。最初のボタンの掛け違いは時間が経過するにつれて拡大こそすれ、
勝手に修復されるものではありません。現在は、「ハローワーク求人ホットライン」や「労働基準監督署への通報」を案内する
サイトも多く存在しますので、会社側の姿勢が厳しく問われています。「労働条件を守ることは、会社を守ること」です。
「守れない約束は、初めからしない」が、鉄則ですから!