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中小企業において、新入社員の確保と同様に「人材の定着」は大きな課題です。大企業と比べて賃金や福利厚生の面で
優位性を持つことが難しい中、いかに社員のモチベーションを高め、長く働いてもらうかが経営の鍵となります。
その解決策の第一歩が、「会社のビジョンを常に共有する」ことです。
会社のビジョンが社員の心をつなぐ
中小企業では、経営者の想いや企業の方向性が社員の働き方やモチベーションに大きな影響を与えます。
社員が会社の目指す姿を理解し、共感を持つことで、自らの仕事の意義を見出し、エンゲイジメントが高まります。
逆に、会社のビジョンが曖昧であったり、経営者の想いが伝わっていなかったりすると、社員は自身の仕事に対する
意義を見失ってしまします。最悪な例は、社長の想いが薄く「うわべだけを取り繕っている」と社員に見透かされている場合です。
このような会社は社員の離職リスクが高まります。
経営者の想いを伝える重要性
経営者が会社を経営する上で、どのような未来を描いているのか、そのビジョンを分かりやすい言葉で丁寧に社員に
伝えることが非常に重要です。
特に中小企業では、経営者の考えがそのまま会社の方向性に直結するため、「経営者の想い」がどれだけ社員に共有
されるかが、企業の成長と社員の定着のカギになります。
例えば、経営者自身が「この会社を通じて社会に貢献したい」「お客様に最高のサービスを提供し、信頼を築きたい」
という明確なビジョンを持っているとします。そのビジョンを社内で共有し、社員一人ひとりがそれに共感できると、
業務に対する意識が変わり、会社の発展に貢献しようという意欲が生まれます。
ビジョン共有の具体的な方法
では、経営者はどのようにしてビジョンを社員に伝えればよいのでしょうか。4つの具体的な方法を紹介します。
①出来るだけ具体的に語る
経営者が直接ビジョンや経営方針を伝える際には、単にビジョンの「お題目を唱える」だけでは不十分で、そのビジョンを
実現するための具体的方法まで落とし込んで「語る」ということで、ビジョンに「血を通わせる」ことが出来ます。
朝礼でビジョンや目標を「唱和」する場面は多いですが、営業前の発声練習になるなど、マンネリ化していては
意味がありません。
②繰り返し語る
ビジョンを語る機会が、年に1回期初のみという会社もありますが、それでは不十分です。
ビジョンの実現のための具体策は、その時々のビジネス環境や自社内の経営資源の変化により、刻々と変化していきます。
「不易流行」という言葉がありますが、変えてはいけないコアな部分と、必要に応じて柔軟に変える必要があるものを
常に見極めるため、定期的に専用のミーティングの場を設け、社長が直接社員と会話する機会を持つことが必要になります。
③文章に残す
社内報や社員向けの一斉メールなどを利用して、社員がいつでも読み返せるようにすることも有効です。
可能であれば、毎月第何週の何曜日というように、発信日を決め、定期的に配信することがお勧めです。
社員が、その発信日を待っているという状況になれば、「共有のレベル」は高いといえます。
④成功事例を共有する
会社のビジョンに沿った成功事例を紹介し、実際の業務とビジョンのつながりを明確にすることで、社員の理解を
深めることができます。特に、別部門の成功事例を相互に紹介することで、会社全体の動きがわかり、
より会社と社員の一体感は増加するはずです。会社の動き(成功も失敗も)が「自分ごと」として捉えられることが
「共有」のあるべき姿だと思います。
ビジョン共有がもたらす効果
このようにビジョンが共有されることで、社員は「この会社で働くことが自分の成長や幸福につながる」と
感じるようになります。中小企業では特に、「会社の業績アップが自分の幸せにつながる」という一体感を
生み出すことが重要です。会社の目指す方向と社員の価値観が合致すれば、単なる給与や待遇以上のやりがいを感じ、
離職率の低下にもつながります。
まとめ
会社を起業した時の「想い」を実現するため、創業時の一人から社員が増えていく間に、社員を「従業員」という
面でしか捉えられなくなって、「想いをカタチにする同志」という側面を忘れてしまっていることがあります。
全社員が同志として、「会社は自分が動かしている」という意識を持っていることが「究極のビジョンの共有」に
なるのではないでしょうか。
人は、同じ想いを持つ仲間と何かを成し遂げることが、最高の喜びですから!